- 会社
- Arvan Cloud
- 役割
- プロダクトデザイナー
- 期間
- 2020
- 種類
- リサーチ
- 業界

01背景
Arvan Cloudはイランのクラウド・CDN事業者だ。そのウェブサイトには、販売するサービス向けの料金計算ツールがあった。クラウドサーバー、セキュリティパッケージ、ライブストリーミング、ビデオ、ストレージ、DNS、サポートだ。購入者は欲しいものを選んで「計算」を押すと、請求書形式の要約が表示され、登録して注文するボタンも付いていた。
2020年1月、Sinaは仕事の一環としてそのページをレビューした。その後の再設計は公開された。本ケーススタディが扱うのは、それより前のレビューだ。つまり、最初に何をしたか、問題をどう記録したか、どこのページと比べたか、何を測ったかである。最後に再設計の画面を2つ示す。その後Arvanはサイトを更新しているため、現在公開されている料金計算ツールは、ここで説明したものではない。
02アプローチ
Sinaは1人で、2020年1月19日から23日まで、1つのTrelloボードで作業した。ページは、購入者と同じやり方で使った。フォームの各セクションを埋め、「計算」を押し、請求書を読み、オプションを変えて何が変わるかを確かめた。
問題はどれも1枚のカードになった。短いタイトルと、たいていは種類を示すラベル(ユーザビリティ、インターフェース、文言)があり、多くはスクリーンショットが付き、何を直すかのメモが添えられたものもあった。リストは計算ツール自体の部分に沿っている。入力欄、請求書、各製品などだ。そのため、カードは問題が見つかった場所に置かれている。
3回のセッションで、50件のうち48件を記録した。1月19日に22件、続いて1月20日に13件、1月21日に13件だ。22日にはさらに2件が続いた。セッションの合間には、残りの作業もこのボードの上で進んだ。
ページは判断する前に測った。速度の測定は、最初の所見より先だった。
03所見
50枚のカードのうち、26枚にユーザビリティ、15枚にインターフェース、13枚に文言のラベルが付いている。1枚に複数のラベルが付くこともあり、3枚にはどれも付いていない。まとめて読むと、8つのテーマに分かれる。
3回目のセッションでは、13件のメモのうち11件が、購入者が言いそうな言葉で書かれている。
「非常に高い」と「高い」はどう違うのか。何か指標があるのか?
04ベンチマーク
ほかのクラウド料金計算ツール12件には、それぞれ専用のカードを作った。Arvanのページを含む13ページすべてをGTmetrixにかけ、1つのスプレッドシートにまとめた。PageSpeedとYSlowのスコア、読み込み時間、サイズ、リクエスト数だ。12件は、Google Cloud、Microsoft Azure、AWS TCO、Open Telekom Cloud、Oracle Cloud、Rackspace、Firebase、Huawei Cloud、NetApp、DigitalOcean、FME Cloud、Selectelだった。
この方法で測ると、Arvanのページは2番目に重かった。サイズは2.65 MBで、ほかのページの中央値は約1.2 MB。これを上回るのはOracleの3.13 MBだけだった。リクエスト数は106件で、中央値の65件に対し、3番目に多かった。PageSpeedスコアは56で、低いほうから同率3位だった。読み込みには6.7秒かかり、遅いほうから5番目だった。YSlowでは順位が中ほどだった。
各ページは、GTmetrixの無料プランを使い、2020年1月19日と20日にバンクーバーから1回ずつ測定した。そのため数値は、スナップショットであり、結論ではない。ページを同業他社の中に位置づけるには、それで十分だった。
この12件のほかに、別のところで見つけた2つのデザインを、アイデアカードとして残した。モバイルプランのアプリにあった従量課金と、パッケージのカード型レイアウトだ。
Arvanのページは、ほかの12の計算ツールのうち1つを除くすべてより重かった。

05SEO確認
ページは、検索エンジンがどう読み取るかという点でも確認した。ブラウザのSEO拡張機能は、タイトルが22文字、ディスクリプションが53文字であること、キーワードもcanonicalタグもないことを指摘した。H1は1つで、「計算ツール」という1語だった。H6は6つあったが、実際にはメニューの項目だった。H2からH5はなかった。画像は56枚、リンクは144本あった。
サイト監査では、小さな項目がさらに2つ見つかった。有効期限が近い証明書と、一時的なリダイレクトのある1ページだ。
06再設計
レビューのあとの再設計は公開された。Sinaはその画面を2つ持っており、下に示す。本ケーススタディが再設計について持っているのはこの2つだけなので、この章は画面が示す内容だけを述べる。
9つのサービスにそれぞれ1つずつあるタイルの行の下に、2枚のカードが横に並ぶ。1枚は選んだサービスの設定で、ここではクラウドストレージ。リージョン、容量、リクエスト数、送信トラフィックを設定でき、請求書に追加するボタンがある。もう1枚が請求書そのものだ。
何も追加していない間、請求書は空であることと、最初にすべきこと、つまりサービスをカスタマイズして追加することを伝える。サービスを追加すると、それぞれが請求書の1行になり、折りたたんだり削除したりでき、そのタイルには黄色い点が付く。
古いページでは請求書は最後に現れ、「計算」のあとだった。再設計では、何も追加していない段階から画面にある。


07私の役割
Sinaは2020年1月、Arvan Cloudのプロダクトデザイナーとして、計算ツールを1人でレビューした。メモに記録されているのは、1人がページを使った様子である。ほかの人とのテストは、本ケーススタディに含まれない。
08成果
あるのはレビューとその証拠であって、成果ではない。その後の再設計は公開され、その画面を2つ示すが、それが何を変えたかを示す数字は証拠にはない。
09学んだこと
メモに記録されているのは1人がページを使った様子で、そのうち11件は購入者として語る言葉で書かれている。これで問題は見つかるが、どの問題で購入者が先に進めなくなるのか、どのくらいの頻度で起きるのかは言えない。実際の購入者との数回のセッションがあれば、問題に順位を付けられたはずだ。
50枚のカードはどれも同じ重みを持つ。ボードには問題の種類のラベルはあるが、どれだけ重要か、誰の担当か、いつまでに対応するかを示すものはない。記録の時点で深刻度の印を付けていれば、すぐ着手できるリストが残ったはずだ。
ページごとにGTmetrixを1回、1日に、1か所から実行した結果は、スナップショットだ。時間を変えて何回か実行すれば、数値の幅が見え、ページ間の差もより確かな根拠の上に立てたはずだ。